作品紹介

マルチクリエイターの先駆者 まつもとかつぢ

かつぢの手がけた作品は、実に幅広く、マルチな才能を発揮しました。
美しく繊細なタッチが評判であった少女向けの読み物の挿絵。
かわいらしくユーモアたっぷりの少女漫画。
また、さまざまなパッケージや商品に向けてデザインしたイラスト。
これら全てに共通するのは、夢多き少女たちの心に深く訴えかけるものばかりでありました。

叙情画 少女雑誌挿絵


蕗谷虹児に刺激されて、抒情画を描き始めた松本かつぢ。
愁いや妖しさを秘めた虹児や高畠華宵に対抗しようとして彼が工夫したのが、
どこまでも明るく、ひたすらにかわいい画風であった。
こうして抒情画家として注目を浴びた彼は、「少女世界」「少女の友」などで
思春期の少女ファンの圧倒的な支持を集め、中原淳一と人気を二分する画家となりました。

叙情漫画・少女漫画


叙情画や絵物語の挿絵で、頭角を現した松本かつぢは、やがて、叙情漫画や少女漫画の世界にも挑戦し、新たな境地に至ります。
1934年に「少女の友」に掲載された初の漫画作品「謎のクローバー」に続き、
同じく「少女の友」に連載された「くるくるクルミちゃん」や、「ピチ子とチャー公」など、数々の作品を精力的に発表しました。
特に、くりくりっとした愛らしい瞳のクルミちゃんは、 掲載媒体を換えながら、
35年以上にもわたって連載され、少女たちのアイドルとなりました。

絵本・童画


あくまでも純粋さを求めたかつぢは、昭和30年前後から絵本・童画の分野に進出。
以前より年齢層の低い小さな幼児を読者対象とし、その主人公も幼くなっていく。
しかし、明るさとかわいらしさを追求する姿勢は一貫して変わらず、
世界の名作童話・物語等を題材に、 かつぢ独自のかわいいキャラクターを描き続けた。

キャラクターデザイン

戦前いち早く、今で言うキャラクター・ビジネスに注目して便せんや栞などを手がけ、
コマーシャル・デザインの世界に進出したかつぢ。
戦後には自らデザインや商品開発を手がける”克プロダクション”を設立した。
幼児を対象にベビー寝具やベビー食器からトイレタリー商品まで、
数々のキャラクター・グッズを送り出して、 時代を先取りするセンスを見せた。
とりわけコンビから発売されたベビー食器のシリーズは、空前の大ヒット商品となった。