少女雑誌の挿絵
非凡な才能を持っていたかつぢは、洋の東西を問わず、老若男女をそれぞれ魅力的に描ける数少ない挿絵画家でした。また、作品の内容や雰囲気に合わせて作風を変え、華麗でダイナミックなものから端正でクラシカルなペン画、そしてコミカルタッチのものまで、幅広い作品を数多く残しました。
その中でもかつぢが持ち前の魅力を最も発揮したのは、外国の風俗を色彩豊かに描いた絵物語のページでした。神戸で育ち、お洒落な学生が集まる立教大学に学び、国際都市上海に滞在した経験もあるかつぢは、インターナショナルな知識とセンスを体得していました。
異国の少女がまとうドレスのディテールや髪型、仕草、背景に描かれた風景やインテリアなど、なにもかもが読者たち少女の憧れをかきたてました。